『日本版IRの全貌!』刊行記念シンポジウムに参加してきました。
海外のオペレータープレゼンやハード関係者のセッションからは、様々な超大型からローカル開発まで、多様な提案提言がなされていた。
未知数な分野であり、これまでに様々な協議がされてきたが、
まだまだ、日本にとって生き残りをかける戦略の議論が、今後さらに必要だと感じた。
期待高まるIR(統合型リゾート)開発の可能性に対しての率直な疑問&感想は・・・
□観光産業に力点を置いた施策も、
日本のKPI&将来の人口構成の動向・経済状況を勘案した、
他国と差別化した観光動員ターゲット構成や、
この産業創成による地域再生、急激な異業種への人員創育の実行が可能なのだろうか?
□あまりに大きな箱物群を擁立した街を作ることで、30年、50年、100年と
その街、施設、人材を維持していく膨大な必要資金を見据えて、
戦略を立て、資金を回し、経営していくことのできる自治体・団体がどれほどあるのだろうか。
□大型店舗開発が解禁になって、街の商店街が消え、
さらに、その大型店舗が撤退してしまったことで、
街の生活の基盤がなくなってしまう大きなリスクが、このIR開発でも起こりうる。
大型外資リゾートが入った中小国の、
リゾート外の人々の生活の実態も研究されているのだろうか。
□また、財政難な自治体や街を支える観光宿泊施設など、
抜本的な金融再生支援が必要な組織団体は多い。
金融機関との複雑ハードルの高い調整が必要なだけに、
相当な経験のある企業ファイナンシャルアドバイザーが、
短期&中長期の視点で関与すべきだと思うが、
果たして、その認識をしている識者や自治体がどのくらいあるのだろうか。
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財政逼迫している日本が投じようとしている超大型産業投資!
IRへの期待も大きいだけに、
今出る資金に群がるのではなく、
未来に向けてさらにかかる膨大な資金や
時には原状回復するために必要な資金も考え、
将来の日本像を明確にし、
世紀に渡る、経営計画が書け、
経営執行できる自治体や団体に託したい
と切に願うのである。
写真にご一緒させていただいた野田一夫先生も、
IRの行く末はどうなるか、
期待を込めて乾杯の挨拶をされていた!
太田社長、村上専務、長谷川編集長、創刊おめでとうございます!
(表紙を飾るのは、日本を誇る金箔師裕人礫翔氏の傑作)
日本の新たな産業創生に向けて
((ネクストステージ通信))